June 04, 2009

本物か偽物か

笑福亭鶴瓶主演の「ディア・ドクター」を見た。

きのうの神さま


何故か高評価の若手監督、西川美和。前作「ゆれる」がエエカッコシーの雰囲気だけ映画というか、抜け殻映画というか、人間描いてるつもりでミニサスペンスに必要な部分しか描いてないじゃん、これじゃ。という底の浅さに腹が立った。んだけど、さて、今回はどうか。

ま、変わらんな。

当然、本数を重ねるうちに小手先の技はうまくなっていくわけですが、やっぱり芯のない監督なので、ユーモアと、カッコイイ画と音楽と、簡単なミニサスペンスと、そして想像通りのラストと、ほんわかして終わる感じ。という「おくりびと」ばりに「いい映画的外堀」をしっかり押さえながらも、中身はゼロ。でした。

ゼロなのは、主人公の感情と行動。主人公が「大きな嘘」をついてて本物か偽物かなんてやってるわけだけど、これ自体はオチになりようがない。こういう主人公が嘘ついてるストーリーは、似てるのだと「明日を夢見て」とか、名作だと「俺たちは天使じゃない」とか、まあよくある話なんだけど、嘘だけで映画が終わっちゃうなんていい加減なのは見たことない。

本物か偽物かって言うなら、この映画こそ偽物だ。

だって「嘘」をついた理由は理由でしかなく、描くべきはその先のはずで、嘘を踏まえて彼がどう考え何をするのか、が映画でしょう。ひたすら理由だけを見せられて、何の変化も進展もないままに終わられても。ねえ。困りますよ。鶴瓶は何も変わっちゃいねえし、変わんなくてもいいけど、自分の「嘘」に対する決着をつけてないんだから。そんなのひどいよ。

そして、映画の決着はやっぱりここだった。トドメに人生ストレートに歌っちゃう系の気持ち悪いテーマソング! 歌詞の意味が映画と合ってんだかなんだか、どっちにしてもこういうJポップでそれっぽく終わるのは逃げでしかない。この終わり方は「ノン子36歳(家事手伝い)」と同じで、これで結局、観客に気に入られようとして媚び売ってたってのが決定的となった。

八千草薫がかわいく撮れてるのは、ちょっと嬉しいけどね。


きのうの神さま
きのうの神さま(「ディア・ドクター」の原作)

ゆれる [DVD]
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俺たちは天使じゃない(1955) [DVD]
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ノン子36歳(家事手伝い) [DVD]
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motecinema at 19:42│Comments(0)★★ ダメな映画 

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