May 12, 2009

おしまい?

「鈍獣」を見た。

鈍獣


宮藤官九郎の岸田國士戯曲賞受賞作の映画化ってことで、期待と不安がいっぱい、というより不安と不安がいっぱい。監督は、CM出身で映画初めての細野ひで晃という人。クドカンの脚本は、映画屋と呼ばれるような頑固映画人から完全に無視され続けているくらい独特のクドカン調なので、監督や撮影監督、編集のセンスがクドカン調と合うかどうか、その相性が大事になってくる。映画人がクドカンのホンでまともに「映画」を作ろうとすると、絶対にコケるのだ。

その点、いわゆる映画専門の監督ではなく、やはり映画屋から低く見られがちではあるがCM出身の新人監督ということで、映画屋から見ればある意味2流同士のコンビとしてうまく成立しているようでもある。CM出身の監督は細かい画作りに夢中で人や心を掴めないというありがちな不安要素があるわけだが、それほど深く人物を描く気のないクドカンシナリオでは、そこはもう最初から問題ない。ここで「こんなの映画じゃない」とかなんとか言う映画人は、映画を狭く見過ぎている。映画はなにやったっていいのだ。

とはいえ、この映画のデキはボチボチだった。

中身が空っぽなのは全然構わないが、つまらないのは良くない。なにしろ監督のセンスが悪い。絶対に面白くないといけないはずの何度も繰り返される浅野忠信の「おしまい?」があまり面白くなってないし、工夫がない。そこをきちんとおさえてないところからもわかるように、全体的にお笑いがズルズルダラダラしててメリハリがない。編集もカメラワークもずっと同じ調子で、アニメ=面白いと思ってるのだろうか? そこも全然面白くない。ひどいときは古くさいギャグ効果音みたいな音楽が入るシーンもあって、途中で退席しようかとも思った。

前半がつまらないのは、シナリオと構成にもよる。クドカンが映画用に書き直したらしいけど、まだ直し足りないんじゃないだろか。おそらくクドカンっていつもそうだけど、つまらない時間が怖いんだろうな。我慢してつまらなくても丁寧に見せる時間とかがあって、それで初めて事件勃発なり、変人と遭遇なり、真相を回想なり、核心がチラリと見え始めるからリズムができるのに、観客の視線が離れるのが心配だから、じらしたりできずに畳みかける。まだこの世界観がなんなのかもよくわからんうちからギャグを畳みかけられても、舞台と違ってすぐに世界に入れないので、こっちは引く一方だ。サービス精神が過剰すぎて、全体的に見るとサービスになってない。落ち着いてくれ。

でもまあ、浅野忠信がかわいくてすごく良かった。おしまい?


鈍獣
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motecinema at 12:18│Comments(0)★★★ まあまあの映画 

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