March 15, 2009

人生の楽しみは人間関係だけじゃない

「イントゥ・ザ・ワイルド」を見た。

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]イントゥ・ザ・ワイルド



裕福な家と立派な学校で育った少年が、その環境が嫌になって荒野へ旅に出る。という話なんだけど、この旅立ちについては共感できる部分とできない部分が半分半分。その環境にいて一度も嫌にならないほど鈍感な奴はいないと思うけど、かといって捨てることが前進とも思えないから。

というわけで、まあただの若者の自分探し映画なんだろうけど、荒野をめざすとか言ってるし、チラシの写真も実際にカッコよくポーズとってて羨ましいし、わざわざ映画にするくらいだから、きっと、何かすんげえことが起こるんだろうな〜と期待して見てみた。んだけど、裏切られた。

要するに、甘ったれのガキがカッコつけて家出して、寂しいジジイや風来坊たちと想像の範囲内の交流をして、見通しが甘いから飢え死にしそうになって、バカだから判断ミスして毒草食って、ハイ死にました。という、しょうもないオハナシだった。なんじゃこりゃ。

いやあ、実話だからってなんでも美談になると思ったら大間違い。死んじゃったのは可哀想だしご冥福はお祈りするけどね、でも、彼だって恥ずかしいと思うんだ。映画なんかにして自分のバカっぷりを世界中に発信されるなんて、嫌だと思うんだけどなー。原作小説はどっか違うのかな?

あと、この映画は構成がひどかった。死に場所での数日と、旅を始めて死に場所に達するまでを交互に見せられるんだけど、いつも思うけど、相乗効果で素晴らしいクライマックスにつながるとき以外は、やめてほしい。ただの退屈回避策としてやられても、見づらいだけですから! もうバカ!

それに、主人公の妹がナレーションしてるのも意味ないし、途中のエピソードも大したことないし、最後はやっぱり人と一緒にいたいとかなんとかさびしんぼの泣き言をほざき出すし、ダメだこりゃ。「荒野をめざす」ってカッコよく出たんだから、さらに上のカッコよさを目指してくれってんだ。

日記のタイトルは、旅の途中で誰かが言ってた言葉。面白いこと言うね、いいこと言うね、と思ってたら、すぐラストがきて、さびしんぼクラブ。なんだかなー


イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]イントゥ・ザ・ワイルド

監督・脚本:ショーン・ペン
原作:ジョン・クラカワー
出演:エミール・ハーシュ/ハル・ホルブルック/キャサリン・キーナー/ウィリアム・ハート/ヴィンス・ヴォーン


motecinema at 16:54│Comments(4) ★★ ダメな映画 

この記事へのコメント

1. Posted by さとこ   March 15, 2009 19:28
私も全く同じ意見を持ちました!
なんかもうちょっと深い話なのかと期待して見たら、結局ガキがジタバタするだけで何も前進しないうちに死んじゃうじゃん、みたいな。
まぁ、大学卒業したばかりの狭い世間しか知らない子なんてこんなものですけどね。

誰だって親に不満を持ったりするもので、自分も同じ道を通ってきた身として共感はできるけど(というか、10年前の私だったら共感できただろうな、と思う)、結局ガキのまま終わり、というところで全く納得できず。
妹も彼の物語をナレーションしてる時点で成長してないってことだろうし、なんだか不幸な家族だよ…と思った次第でした。

途中主人公が呟く哲学とかはいいこと言うじゃん…と思ったりしたんですが、哲学は哲学のまま終わってしまいましたね。
2. Posted by だいおう   March 16, 2009 00:14
やっぱりねー。そうだよねー。
不幸な家族。たしかにねー。
つーか、結局、この家族は全員バカ丸出しってことですよねー。

そうそう。
哲学が哲学のまま終わってる。
映画でクサいこと言って許されるのは、それがテーマと合致して心に響くからで、ただ安直に言われてもオヤジの説教と同じですよね。

われわれの2時間を、2人合わせて4時間を返して欲しいもんです。
3. Posted by 人間関係   March 16, 2009 14:06
 確かに。

 ありきたりな素材を使っているから料理の仕様がなかったのかと感じました。

 せめて何か他の終わりが欲しかったものです。

 
4. Posted by BlogPetのていおう   March 16, 2009 15:34
だいおうが一緒したの?

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