February 07, 2009
セクシーな唇をしてるね
ウディ・アレンならではの、会話で魅せていくラブ・サスペンス。セクシーなスカーレット・ヨハンソンが自分で「わたしはセクシーだから……」と言ってしまう、そんなセクシーな女を演じている。その割には、イヤらしい描写が少なかった。スカーレット・ヨハンソンの大きな胸をもっと堪能したかった。
というエロ目線は置いといて、映画の内容だが……いやあ、さすがは百戦錬磨のウディ・アレン。70歳超えてもまだまだ健在。構成がお見事だった。
テニスで、ボールがネットに当たって手前に落ちるか奥に落ちるか、それで試合が決まる。という象徴的なシーンで始まり、主人公も「人生は、結局は運が決める」と言うことによって、観客は物語そのものを追いながらも、いつかその「運」が何かを変えるときがくると頭の奥でワクワクドキドキしながら見続ける。
目の前の具体的事象と、目に見えない抽象的な何か。その両方が頭の中で絡み合い、相互に作用し合い、物語は深みを増していく。双方がぶつかるクライマックスからラストにかけて、うまく結実せずに失敗する作品は多いが、このマッチポイントは成功している。わざと観客の予想を裏切る形で、人生と運を表現している。素晴らしい。
後半のサスペンス部分は、確かに弱い。ツッコミどころが多い。実際は、警察はあんなにバカじゃないから、犯人は絶対にすぐ見つかる。が、まあ、そこはサスペンスがメインの映画じゃなく、人間ドラマ(ラブとサスペンス含む)という映画だから仕方ない。そこを厳密にやりすぎるとこの映画が成立しなかったことを思うと、捨てるところは捨てるというのも大事なことなのだ。
ただそれにしても、主人公ジョナサン・リース・マイヤーズの優柔不断な振る舞いや、情けない決断の仕方、流され方は酷すぎる。
実際の人間はあんなもんだから「共感する部分がない」とは言い切れないが、テニスコーチという手に職持った人間が、あそこまでみっともなく、つまらない家族や仕事、つまり金に追い込まれていくものだろうか。そのストーリー展開にはちょっと疑問が残る。
いきなり「セクシーな唇をしてるね」と言い出すのは好きだけど。変だから。
マッチポイント
スカーレット・ヨハンソンの唇は、たしかにセクシー
というエロ目線は置いといて、映画の内容だが……いやあ、さすがは百戦錬磨のウディ・アレン。70歳超えてもまだまだ健在。構成がお見事だった。
テニスで、ボールがネットに当たって手前に落ちるか奥に落ちるか、それで試合が決まる。という象徴的なシーンで始まり、主人公も「人生は、結局は運が決める」と言うことによって、観客は物語そのものを追いながらも、いつかその「運」が何かを変えるときがくると頭の奥でワクワクドキドキしながら見続ける。
目の前の具体的事象と、目に見えない抽象的な何か。その両方が頭の中で絡み合い、相互に作用し合い、物語は深みを増していく。双方がぶつかるクライマックスからラストにかけて、うまく結実せずに失敗する作品は多いが、このマッチポイントは成功している。わざと観客の予想を裏切る形で、人生と運を表現している。素晴らしい。
後半のサスペンス部分は、確かに弱い。ツッコミどころが多い。実際は、警察はあんなにバカじゃないから、犯人は絶対にすぐ見つかる。が、まあ、そこはサスペンスがメインの映画じゃなく、人間ドラマ(ラブとサスペンス含む)という映画だから仕方ない。そこを厳密にやりすぎるとこの映画が成立しなかったことを思うと、捨てるところは捨てるというのも大事なことなのだ。
ただそれにしても、主人公ジョナサン・リース・マイヤーズの優柔不断な振る舞いや、情けない決断の仕方、流され方は酷すぎる。
実際の人間はあんなもんだから「共感する部分がない」とは言い切れないが、テニスコーチという手に職持った人間が、あそこまでみっともなく、つまらない家族や仕事、つまり金に追い込まれていくものだろうか。そのストーリー展開にはちょっと疑問が残る。
いきなり「セクシーな唇をしてるね」と言い出すのは好きだけど。変だから。
マッチポイント
スカーレット・ヨハンソンの唇は、たしかにセクシー
motecinema at 12:43│Comments(0)│
│★★★★ いい映画