January 11, 2009

妻にバレた!

「アメリカを売った男」を見た。

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ヤフー映画の紹介によると……20年以上もアメリカの国家機密をソ連のKGBに売り渡していた実在のFBI捜査官のスパイ事件を映画化したポリティカル・サスペンス。国も組織も巧妙に裏切り続けた犯人を逮捕するまでの2ヶ月間を追う。……という映画。

この二重スパイをクリス・クーパーが演じてるんだけど、その芝居と存在感が半端ない。脚本や監督の手腕もあるが、賢さと強さを持ちながら、でも人間だからね、弱さもチラリと見せている。そこが素晴らしい。たいていこういう人間をやるとき、ただ冷徹な人物像を描いてしまいがちだが、そうでないのがこの映画のいいところ。

それにしても、アメリカがソ連に送り込んでいた50人以上ものスパイ情報を流していたということなんだけど、無知だからか、いろんなところに驚いてしまう。アメリカ、どんだけスパイ送り込んでんだよ。この捜査官がバラしたのが50人だから、それ以外のも数えたら、どんだけ送ってんの? しかも50人もこの捜査官1人のせいで殺されてたなんて、どんだけザル?


主人公はクリス・クーパーの動向を探る役割を担った若き捜査官で、ライアン・フィリップが演じている。で、彼の役はちょっと弱すぎたと思う。バカに見せすぎた。(この日記のタイトルもこいつのセリフ。)クリス・クーパーやベテラン捜査官より駄目なのはわかるけど、優秀だから抜擢されてるわけだし、もう少し格好良ければ対決ムードも盛り上がるのにな〜。対決というより挑戦になってるのが、“好み”じゃない。


一番気になったのは、その主人公がFBI捜査官になりたくて頑張ってきたけど、この事件を通して気が変わるということ。かわいい奥さんとの関係を大事にして、職を捨てる。これは単にライフスタイルとして職を捨てるということだけではなく、アメリカという国家のために働くのを辞める、という意味でもある。

最近のハリウッド周辺では、この考え方が受けているようで、「ワールド・オブ・ライズ」でも、CIA工作員のディカプリオが最後は惚れた女を選んで職を捨てている。ちょっと違うけど、「告発のとき」でも、元軍曹のトミー・リー・ジョーンズがラストで国旗を逆さまに揚げている。この行為は、国が一大事だっていう意味を持つらしい。(日本はいつも逆さまという風にも取れるわけで、……。)

まあ、「アメリカを売った男」は事実を元にしてるから作り手の意図ではないかもしれないが、わざわざこいつを主人公に据えてるし、最後にテロップで職を捨てたことを見せてるわけだから無意識とは言えない。さてさて、アメリカはどうなっていくのでしょうか……


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犯人が変態なのも面白い。


motecinema at 14:58│Comments(0) ★★★ まあまあの映画 

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