January 09, 2009

立て! 艦長!

「ウォーリー」字幕版を見た。



大好きなピクサー映画でしたが、不発でした。やっぱりピクサーがディズニーの傘下になってから、見え透いた感動路線、世間様に迎合路線といった悲しいコースを歩んでおりますなあ。


まず、一番問題なのは設定。ロボットとの“共感”。

感動ストーリーやるなら当たり前だけど、主人公に感情移入できなかったら話になりませんからねえ。CM見てるときから不安だったけど、予想通りダメだった……。

冒頭から、「ウォーリーは寂しい!」ってのをミュージカルのビデオを使ったりしながら煽ってくるけど、ロボットだし、友達のゴキブリ君がいるし……。そもそもゴミ回収ロボだから、もともと仲間と手をつないだり楽しく過ごしたりしてなさそうだし……。

彼は「あったものを失った」わけではなく、「友情や愛情に憧れてる」だけなんだよね。同じ寂しい気持ちでも、喪失と憧れでは、共感の度合が全然違う。ロボットも友情や愛情を持って楽しく過ごしている時代があった……ということならいいけど。

そこらへんは作り手も気にしてるらしく、執拗なまでにしつこく、わかりやすく、「手を繋ぎたい」という欲求を描いていたけど、それが見苦しくてますます醒めるという悪循環に陥ってました。残念。


あとは、ストーリーの問題点もチラホラ。

宮崎駿の「崖の上のポニョ」もそうだったけど、ゴールを提示しないまま冒険を始められても観客は困るんですよね。しかも「ウォーリー」の場合、そのゴールがコロコロ変わっていくからますます乗りづらい。イヴに会いたい、イヴを助けたい、ウォーリーを助けたい、地球に帰りたい、植物を守りたい……と。

宇宙船の艦長とシステムロボの戦いは面白くて好きなんですが、それとウォーリーたちとの絡み方もイマイチはっきりしない。どれが敵で、誰がウォーリーたちの行動を邪魔しているのか、わかりづらかった。そもそもウォーリーたちのゴールが明確じゃないから、しょうがないんだけど。

それから、単純に楽しい映画を期待して観てるのに、ロボットにもいいもんと悪いもんが出てきて混乱するし、故障ロボたちが反乱を起こすような空気も描いておきながら、結局扱いきれずに放置プレイだし、人間関係ならぬロボット関係も不鮮明……。

とにかくグダグダでした。カナシイ……


モンスターズ・インク [DVD]モンスターズ・インク


これは面白かった……


motecinema at 11:16│Comments(0) ★★ ダメな映画 

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